Ch.P! -motto active-の最近のブログ記事


http://radio.tatsumatsuda.com/2009/09/37b.html

建 築系ラジオ『37B: オープンデスク学生との本音トーク「夏のオープンデスクを終えて」』を聴いた。建築家の松田達さんの事務所でオープンデスク(インターンと同意なのだろ う)に来ていた学生さんの本音トークで、25分経過した頃から「こたつ問題」を題材に深い議論がされていた。

こたつ問題については、このブログで以前に書いたので、まず参照いただくと、話が早い。
こたつ問題(http://channelp.exblog.jp/10875877)

私 は一連のこたつ問題欠席裁判の収録にも立ち会っていたし、現地で動画を撮影し、ラジオ配信直後にYouTubeで動画を配信した。今日までの20日間ほど で1400件のアクセスがあった。25本の越後妻有の動画の中で最も多いアクセスで、アクセス全体の6分の1以上を占めている。かなり話題になったことが わかる。単純計算ではあるが。

今回の『オープンデスク学生との本音トーク「夏のオープンデスクを終えて」』では、こたつ問題を配信した後に巻き起こった、さまざまな問題が網羅されていた。

・「配信した」ということ
・「話し方、話しているときの周囲のリアクション」ということ
・「無編集(生放送的な番組)」であったこと
・計画と実現の可能性
・コンペまたは公募に応募する目的
・コピー、模倣ということ
・オフィシャルかプライベートか

これは私が携わってきた、メディア作りや、企画制作という仕事にも通じる点が多い。

中 で、「個人攻撃の後、免罪符的に最近のコンペをめぐる問題に話を広げているように思い不快だった」という意見も出ていた。わからなくもないが、身近な話題 から社会をつなげて考えることは、昔からある一般的な手法である。今回の「こたつ問題欠席裁判」の番組内では、現場の雰囲気が雰囲気だっただけに、盛り上 がったし、あの熱はあそこだから生まれたもので、不快に思う人がいることは理解できるが、それも含めて、問題提起をするオルタナティブメディアの新しい動 きが見えてきた。個人的には歴史的な出来事だと捉えている。

後日また話したいと松田さんが述べていた、メディアでの発言の捉え方「オフィシャルかプライベートか」に関連する話題として、「きっこのブログ」に興味深い記事が載っている。
「きっこのブログ」は転載禁止とあるので、詳細は以下のリンクから読んでいただくしかない。

きっこのブログ「正義という免罪符の幻想」
http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2009/02/post-71f3.html

「きっこ」は、ハンドルネームで個人情報の公開はしていない。ヘアメイクアーティストで、夫婦ともに芸能界周辺にいるらしい。そのくらいの情報(噂)にも関わらず、ものすごいアクセス数があるという。
だからこそ、きっこ自身も商品やお店の悪いことを書くときは悩む、と言っている。不愉快への復讐をする自分が卑しい気がする、けど、自分と同じ不愉快な思いをする人を増やしたくない、と。

私は、こたつ問題を配信したことは良かったと考える。
私自身がこたつの動画を配信したことも、これは当初少しだけ躊躇したが、良かったと考えている。
作品「みんなのこたつ」の作家にたいする批判的な気持ちもあった。が、どこでも起こりうるモラルの欠如や、企画を実行するということを問いたい気持ちがあった。

また、個人的な見解ではあるが、私の基本的な考え方に、人を悪く言うのは、決して楽しいことではない、ということがある。願わくば、ひとやものを悪くなんて言いたくない。
いくら人の悪口を平気で言う人でも、心のどこかで、きっこの言う「卑しい自分」の存在が自分の心を荒んだものにするのだと思う。性善説をもとにした楽観的思考なのかもしれないが、基本的にそう思う。

ひとやものを悪く言った言動が影響力をもつとき、まるで鋭い刃を素手で握るように、自分も傷を負うものだと思う。実名で顔が見えるところでそのような発言すれば、なおさらである。

ならば、言わなければいい、ということではない。
傷つきたくないから、関係をこじらせたくないから、口をつぐむ。本心を言わずに偽善で付き合うようになる。メディアは同じことしか言わなくなり、それが一般論で正解で、それ以外の意見は不正解で、仲間はずれにされたり、発言自体抹殺される。

そのようなことは、そろそろ終わりにしたい。何が正解かなんて、権力者が決めるものでも、多数決で決めるものでもない。正解は個人の意思の中にそれぞれあって良いと思う。そして、それを広く発言すること、それをもとに議論を深めていくことをしたい。

話が飛躍したが、「こたつ問題」は確実にメディアの新しい歴史を作っていると思う。
今回の建築系ラジオでの松田達さんと学生さんたちの、本音の深い議論を聞けて、とてもよかった。

今回も番組は長いが、「こたつ問題」を知らなければ分からない話でもあるが、時間のある方は
35A: 建築系ラジオ緊急謝罪会見「『こたつ問題』欠席裁判」
を聞き、
こたつの動画を見て、

下記『オープンデスク学生との本音トーク「夏のオープンデスクを終えて」』を聞くことをおすすめしたい。

世の中には語られない問題、表に出ていない問題が多い。

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こたつ問題 (Ch.P! -motto active-)

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「今回の越後妻有でもっとも驚いた作品。「こたつ問題」と呼ばれ、早くも話題になっている。越後妻有では、建築を専門分野とする方も多く出展していて、建築系のメンバーは主に建築家の仕事を見ていた。その中で起きた問題である。」
明らかに大掛かりな(と、建築家ならわかるようです)案を出し、コンペで合格し、出展されているが、果たしてどんな風に実現させたのか、と見に行った。
映像を作るうえで、いろいろ考えたが、どんな出来の作品も、予算・規模が違えども、350ほどある越後妻有トリエンナーレの作品の一つであることに変わりはない。
動画リポートのひとつとして、他の作品と同様に扱うこととした。
作品には作家の愛が込められているものだ、と思いたいのだが、きりんの横に置き去りにされた、なんだかかわいそうな状態の作品である。

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建築系ラジオの収録現場には私もいた。41分と長いが、面白い中でとても大切な議論がされているのでぜひ聴いてほしい。建築、美術だけではなく、モラルの問題でもあると私は考える。

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